研究科長のあいさつ

人間科学研究科(修士課程臨床心理学専攻)は、2004年に地域社会に貢献できる心の専門家の養成を目指して設立されました。それは臨床心理学領域における職業的専門家を、地元で育成し地元に定着させることを切望する地域の期待に応えるものでもありました。

 

その期待に応えるべく「学校教育」、「医療」、「福祉」、「司法・矯正」、「発達障害や子育て支援」「地域支援」等それぞれの領域において実務経験の豊富な教員の指導の下に、生きた理論と大学院附属臨床心理相談センターでの臨床的実践を重視した教育をとおして、臨床心理学の諸技法を修得し、地域に密着した臨床活動が可能な臨床家を輩出してきました。

 

このように社会的ニーズの高まりに応え得る、高度な実践能力を持つ心理臨床のプロを養成するために、開設当初より大学院附属臨床心理相談センターで地域の多くの方々の相談業務に応じてきましたが、さらに2013年より新たに精神科医と臨床心理士が常駐し、医療と心理治療がコラボレートして利用者のニーズにより細やかで充実した対応が提供できる施設として文京クリニックが増設されました。

 

地域への貢献という意味では、教員を講師として、地域の方々を対象とした講演会を定期的に開催してきました。この講演活動は年齢や職業を超えて好評を博しており、要望に応え今後もさまざまなテーマを設定し継続していきます。

 

これらの日々の活動から、学部で心理学を学び将来臨床心理士になることを目標に進学してくる学生に加え、看護師や教員などそれぞれの領域で就労しておられる社会人の方の進学希望も多くあります。既に卒業して医療機関や大学等で活躍している社会人入学のOGが数名います。現在も修士課程1年,2年に看護師経験者が複数在籍しており、心理査定や心理カウンセリングについて熱心に学んでいます。

 

2014年からはそれらのニーズにこたえる形で、看護心理学履修モデルコースを新設します。将来的には看護師としての知識と経験をベースとし、その上に臨床心理学の専門的知識を積み重ねて修得することで、看護師としての知識と経験が不可欠な心理臨床領域における活躍を支援していきます。

 

実践的で質の高い臨床心理実務訓練を教育目標としてはおりますが、臨床心理学研究も並行し積極的に取り組んでいます。APA (American Psychological Association アメリカ心理学会)をはじめ、国内外の心理学関連の学会において教員とともに日ごろの研究を発表したり、日本人間性心理学会等の学会を本学で開催したりすることで、研究の必要性と醍醐味を肌で感じる貴重な機会となっています。

 

教員一同、大学院生とともに地域への貢献をさらに実践していきます。

 

 

 

研究科長 高田晃