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人間健康学部 学部長・教授 大草知子

自己紹介:私は、山口県山口市の出身で循環器内科医です。約10年前から「極北熱」という厄介な病にかかっています。「極北熱」とは、絶えず極北地方のことが気になり、極北の先住民、自然、野生動物のことが絶えず頭から離れない病です。唯一の治療法は、その身を極北に置くことです。そのため、治療を兼ねた趣味は、時間を見つけては極北地方に出かけて先住民の人たちと大自然の中で犬ぞり、カヤック、釣りや狩り、オーロラ鑑賞、などをすることです。

研究内容:人間の心臓は自分の握りこぶしほどの大きさの筋肉の塊です。この一握りの塊が、1分間に60~70回、1日に約10万回、1年簡に10万x365回、80年の一生には、なんと!29億2千万回の収縮・弛緩を繰り返して全身に血液を送り出します。その結果、一生で全身に送り出す血液の量は、約20万トンです。一方で心臓は、胸の中で人目も触れることなく、お褒めの言葉をもらうことなく、ひたすら頑張っているのです。このひたむきな心臓が愛おしくて、心臓の病気を専門とする医師として患者さんの診療に携わり、研究をしています。以下に私の専門研究分野をわかりやすくご紹介いたします。

1)心不全発症のメカニズムと治療法の研究:心不全とはあらゆる心疾患の終末像です。心臓の筋肉(心筋)の収縮・弛緩に異常をきたし、ポンプ機能を失った状態です。この原因を明らかにするために、心筋細胞~心臓~全身にどのような異常をきたしているかを解明し、的確な治療が行えるように研究を進めています。心不全の治療は、薬のみでなく、あらゆる医療関係者(看護師、栄養士、理学療法士、保健師等)の協力のもとに成り立ちます。心不全患者さんとそのご家族の愛おしい心臓を守るための研究です。

2)致死性不整脈発症のメカニズムと予防・治療法の研究:不整脈には、命を脅かす不整脈があります。メカニズムの詳細が解明されるに従い、早期発見・治療をおこなうことにより不整脈による心臓突然死の予防も可能になりました。この知識は、医療関係者のみではなく、広く一般の人々への普及も重要です。「風邪をひいたらお脈拝見」を、皆様にご理解していただけるよう、研究、普及をしています。

3)睡眠呼吸障害の研究:睡眠呼吸障害とは「寝ている間に、呼吸が停止・減弱し、その結果、全身の酸素欠乏をきたす」状態です。睡眠中に何度も飛行機で一瞬にして海抜3500~5000mの高地(酸素濃度が地上の80~50%)に連れて行かれ、また連れ戻されることを、一時間に何度も(重症では数分周期で)繰り返します。考えただけでも苦しそうです。しかし、夜間、本人は眠っていますので、苦しさを自覚しません。本人は気づきませんが、実は体の中では大変なことが起こり、悲鳴をあげています。たとえば、酸素欠乏になると全身の血管が痙攣する、心臓には大きな負担がかかる、脳細胞の破壊が起こる・・・、等々さまざまです。その結果、昼間の眠気、倦怠感、注意力低下、行動障害、学習能力低下が生じます。睡眠呼吸障害は老若男女、危険因子を持っていればあらゆる人に起こります。一般社会への正しい知識の普及、早期発見の方法、早期治療を目指して研究をしています。

以上、自己紹介を終わります。

愛犬;チワワのころ吉