建学の精神・教育理念
「人間性の涵養と実学の重視」
明治36年(1903年)初代理事長である香川昌子先生は「女性こそ学問が必要である」という明治時代にあって先進的な考えに基づき、先生が目指す理想の教育を行うために私塾である香川裁縫塾を開塾しました。宇部フロンティア大学短期大学部及び宇部フロンティア大学を開学するに当たって、香川先生が実践してこられた実生活に密着した教育と人間愛に満ち溢れた教育を「人間性の涵養と実学の重視」と表現して建学の精神として掲げ、本学の教育理念としました。
「人間性の涵養」とは、人間の多様な生き方を尊重しつつ、自らの考えを持ち、共通の目的に向かって自律的に行動できる人材を育成することを表しています。多様化、複雑化が進行する現代社会にあっては、どんな仕事であっても異なる職種、異なる価値観を持った人たちと協働して問題解決に当たる機会が多くなっています。そのような社会で問題解決に当たるためには自分が置かれた状況を理解し、関わりのある他者を理解し、寄り添うことができる人間力を涵養することが大事です。
「実学の重視」とは、すぐに役に立つ知識や技術を手っ取り早く獲得することではありません。実際の現場で経験を積み重ねることによって、知識と技術を自分のものにするプロセスを重視した教育を行うということです。このような能力は、多様な意見や背景を持った人たちと交流する現場での経験を積み重ねることによって育成されます。それは、人と人とのつながりの中で新たな価値を創造するプロセスでもあります。この経験が「人としての奥行き」を涵養し、人間性豊かな人材を育成します。
本学では、建学の精神に基づく教育のモットーとして「礼節、自律、共生」を掲げています。礼節とは「他者の尊厳を尊重すること」、自律とは「自己の確立、自ら考え行動すること」、共生とは「共通の目的の実現に向かって努力を惜しまないこと」をあらわしています。また、自己と他者の関係性を構築し、自己の個性を生かして行動することにより、既存の価値観の受け売りではない、自分の考えによる解決策を生み出す能力を育成する教育を行うためのスローガンとして「あなたらしさを仕事力に」を掲げています。
建学の精神・教育理念に基づく使命
学園創始の理念である「人間性の涵養と実学の重視」を建学の精神として掲げ、教育基本法及び学校教育法の趣旨に則って大学教育を施し、持続可能な社会の進展と福祉社会の実現に貢献できる人材を育成することを使命とします。